【行政書士が解説】兄弟仲が壊れたのは、たった1枚の紙のせいだった

遺言書作成
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「たった1枚の紙」から始まった兄弟の不仲

「うちは兄弟仲が良いから、相続でもめることはないよ」
多くの方がそう言います。実際、そう信じて疑わなかったご家庭が、たった1枚の紙をきっかけに関係を壊してしまうことがあります。

その紙とは、遺言書。もしくは、それに似た親が残したメモや手紙。

行政書士としてご相談を受ける中で、「お母さんの残した一枚の紙で、兄弟が話をしなくなった」という事例は珍しくありません。
紙に書かれていたのは、数行の言葉だけ。
それでも、家族の絆を大きく揺るがすことがあるのです。

よろしければ、前回の記事も併せてご覧ください。

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実際にあったケース:母の「手書きメモ」が争いの火種に

名古屋市М区のBさん一家。
母親が亡くなったあと、遺品整理の中から1枚のメモが見つかりました。
それにはこう書かれていました。


「家のことは長男に任せます。次男には預金を渡してください。」

一見、何気ないメモです。
しかしこの一文をめぐって、兄弟の関係は急速に崩れていきました。

長男の主張「母は家を俺に譲るつもりだった。メモがその証拠だ。」

次男の主張「正式な遺言書じゃない。母が本当にそう思っていたかも分からない。」

結果的に、話し合いは平行線。
最終的には弁護士を立て、家庭裁判所の調停にまで発展しました。

“仲の良かった兄弟”が、たった1枚の紙をきっかけに、二度と口をきかなくなったのです。


なぜ「紙1枚」が家族を壊してしまうのか?

(1)親の「思い」を、子どもがそれぞれ違う角度で受け取るから

親の気持ちは、時に複雑です。
「長男には苦労をかけた」「次男には公平にしたい」など、想いが入り混じっていることも多いもの。

しかし、紙に書かれた一文だけでは、その背景や意図が伝わりません。
読む人によって受け取り方が違い、解釈のズレが争いを生むのです。


(2)法的な力を持たないメモや手紙の「曖昧さ」

行政書士として多いご相談のひとつが、「親が残したメモは遺言書になりますか?」という質問です。
結論から言えば、多くの場合は遺言書として認められません。

たとえば、
日付がない
署名や押印がない
誰に何を渡すかが明確でない

このような場合、法的には無効となり、結局、法律どおりの相続分(法定相続分)で分けるしかありません。
しかし、その過程で「母の意思を無視した」「兄が勝手に進めた」といった感情の対立が生まれます。


(3)“平等”と“公平”の違いが理解されにくい

親の想いを形にする際、重要なのが「平等」と「公平」は違うということ。

兄弟それぞれの立場(介護・同居・経済状況など)によって、親の考える「公平」は異なることがあります。
それを明確にしないまま残された紙1枚は、かえって「不公平感」を増幅させてしまうのです。


増える「遺言書トラブル」

名古屋市緑区でも、住宅地や農地を持つ家庭が多く、不動産の相続が絡むケースが特に多く見られます。

土地や家は現金のように分けられないため、「誰が住むのか」「売るのか」「名義はどうするのか」で対立が起きやすいのです。
行政書士として現場を見ていると、遺言書があったケースでも、書き方ひとつで家族を分けてしまうことがあると感じます。

たとえば、「この家は長男に相続させる」と書かれていた遺言書。
それだけだと、なぜ長男なのか分からず、他の兄弟に不満が残るのです。


家族を壊さないためにできる3つの準備

(1)正式な遺言書を残す

親が本当に家族を想うなら、“気持ちを書くだけ”では不十分です。
法的に有効な形で遺言書を作成することが、家族を守る第一歩です。

行政書士がサポートできる遺言書の種類には次のようなものがあります。

公正証書遺言:公証役場で作成する最も確実な方法

自筆証書遺言:自分で書けるが、形式を間違えると無効に

秘密証書遺言:内容を秘密にしたまま公証役場で預けられる

特に、「公正証書遺言」を選ぶ方が増えています。
理由は、後から無効になる心配がなく、家庭裁判所の検認も不要だからです。


(2)家族全員で“話す機会”を持つ

どんなに完璧な遺言書があっても、家族がその意図を理解していなければ、誤解は残ります。

相続は「残す書類」よりも、「交わす会話」が大切です。
家族でオープンに話す場を持つだけで、将来のトラブルの8割は防げるとも言われています。


(3)専門家に早めに相談する

遺言書の作成や内容確認は、専門家に早めに相談することが鍵です。

行政書士は、相続に関する法律的な形式を整え、「誤解を生まない遺言書」「家族がバラバラにならない書き方」をアドバイスできます。

さらに、相続人調査・財産目録作成・遺産分割協議書の作成まで、一貫してサポート可能です。


行政書士が伝えたいこと:紙の重みを侮らないでほしい

たった1枚の紙が、家族を壊すこともあれば、家族を守ることもあります。

違いは、「誰の手で」「どんな思いで」「どんな形で」残したか。
その紙が“争いの種”になるか、“絆の証”になるかは、ほんの少しの準備で変わるのです。

行政書士として、数多くの相続現場を見てきたからこそ言えること
「仲のいい家族ほど、今のうちに話して、形にしておく」ことが大切です。


名古屋市緑区で遺言書・相続相談なら

名古屋市緑区のけいか行政書士事務所では、遺言書の作成支援・相続手続き代行・家族会議サポートなどを行っています。家族の気持ちや背景に寄り添えるのは、女性行政書士ならではの強みだと思っています。
感情の整理がつかないときも、安心してお話いただけるよう丁寧にサポートいたします。

お問い合せは24時間受け付けております。お気軽にお問合せください。

    名古屋市緑区を中心に、広く出張対応しております。
    また、対応地域外の方もお気軽にご相談ください。

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