【行政書士がよくあるミスを解説】あなたの遺言、法的に有効ですか?

遺言書作成
目次

せっかくの遺言書が「無効」になる現実

「これで安心」と思って書いた遺言書が、実は法的に無効だった。

行政書士として相続や遺言のご相談を受けていると、そんなケースにたびたび出会います。

遺言書は、自分の思いを“法的に”残せる大切な書類ですが、法律の要件を満たしていないとただの紙切れになってしまうこともあります。

せっかく家族のことを想って残したのに、トラブルの火種になってしまうのは本末転倒です。

今回は、「あなたの遺言書は本当に有効ですか?」というテーマで、行政書士の立場からよくあるミスと正しい作成ポイントを分かりやすく解説します。

よろしければ、以前の記事も併せてご覧ください。


遺言書には「種類」がある

まず、遺言書には主に3つの形式があります。

① 自筆証書遺言(じひつしょうしょいごん)

自分で全文・日付・氏名を書き、押印する方式。

費用をかけずに手軽に作れる反面、書き間違い・形式ミスによる無効が多いのも特徴です。

現在は法務局で「自筆証書遺言保管制度」を利用することで、安全に保管できます。

② 公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん)

公証役場で公証人に作ってもらう方式。

証人2名の立会いが必要ですが、法的に最も確実で、原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配がありません。

③ 秘密証書遺言(ひみつしょうしょいごん)

内容を秘密にしたまま公証役場に提出する方式。

実務上はあまり使われていませんが、形式を誤ると無効になるリスクがあります。


行政書士がよく見かける「無効な遺言書」の例

ここからは、実際に現場でよくある“残念なミス”を紹介します。

「まさかこんなことで無効になるなんて」と思うようなケースが多いのです。


【ミス①】日付があいまい・抜けている

例:「令和〇年〇月吉日」「2025年春ごろ」など

遺言書には、具体的な日付(例:令和7年11月4日)を必ず書く必要があります。

「吉日」や「春頃」といった表現では、作成日が特定できないため無効になるおそれがあります。

特に複数の遺言書が見つかった場合、「どれが最新か」が分からないとトラブルに直結します。


【ミス②】代筆・ワープロ・スタンプを使っている

自筆証書遺言は「全文・日付・氏名」を自筆で書かなければなりません。

家族が代筆したり、ワープロ・パソコンで作成した場合は法的に無効です。

「字が下手だから」「手が震えるから」といって家族に書いてもらうケースも見かけますが、これは要注意。

どうしても自筆が難しい場合は、公正証書遺言を検討しましょう。


【ミス③】押印がない、または印が不明確

押印も忘れがちなポイントです。

実印でなくてもかまいませんが、印がない遺言書は無効になります。

また、朱肉が薄すぎて印影が読めない場合もトラブルのもとです。


【ミス④】財産の記載があいまい

例:「家は長男に」「預金は次男に」など

「どの家?」「どの口座?」と特定できない記載は、執行段階で揉める原因になります。

不動産であれば、登記簿に記載された住所・地番を正確に書く。

預金なら「〇〇銀行〇〇支店・普通預金・口座番号××××××」と明記するのが原則です。


【ミス⑤】遺留分を考慮していない

遺言書であっても、法定相続人には一定の取り分(遺留分)が保障されています。

「全財産を長男に」と書いても、他の相続人が遺留分侵害額請求をすれば、結果的に揉めることに。

遺留分を理解したうえで、バランスを取った内容にすることが重要です。


【ミス⑥】署名・内容の訂正方法が間違っている

自筆証書遺言の訂正には、民法で定められた厳格なルールがあります。

単に二重線を引くだけではダメで、訂正箇所に押印し、変更の内容を明記しなければなりません。

この手続を誤ると、その部分が無効になる可能性があります。


【ミス⑦】遺言書の保管・発見がされない

形式上は有効でも、誰にも見つからなければ意味がありません。

実際、遺族が遺言書の存在を知らずに遺産分割を終えてしまうケースもあります。

安全に残すためには、法務局の「自筆証書遺言保管制度」を利用する、信頼できる家族や行政書士に存在を伝えておくことが大切です。


「有効な遺言書」にするための5つのチェックポイント

ここまでのミスを踏まえ、遺言書を確実に有効にするためのポイントを整理します。

1. 全文・日付・署名・押印を自筆で書くこと

2. 日付は具体的に書く(例:令和7年11月4日)

3. 財産の内容・受取人を明確に記す

4. 訂正は法定の方式で行う

5. 保管・見つけやすさも意識する

これらを守ることで、法的に有効な遺言書を残せます。


行政書士に相談するメリット

遺言書は「自分で書ける」ものですが、自分だけで完璧に作るのは意外と難しいのが実情です。

行政書士に依頼することで、次のようなメリットがあります。

① 法律に基づく正しい形式で作成できる

法律の要件を満たした文面を整えることで、無効リスクを防止できます。

② 財産・相続人の整理をサポート

財産目録や相続関係図を作成して、漏れや勘違いを防ぐことができます。

③ 公正証書遺言のサポート

公証人との打ち合わせ、必要書類の準備、証人の手配までトータルでサポートできます。

④ 家族関係や想いをくみ取った内容にできる

「法的に有効」なだけでなく、「心が伝わる遺言書」を一緒に作ることが可能です。


遺言書は“書いたあと”も大切

実は、遺言書は一度書いたら終わりではありません。人生の節目ごとに内容を見直すことが大切です。

相続人の増減(結婚・離婚・孫の誕生など)

財産の変動(不動産の売却・新たな預金など)

心境の変化(贈りたい相手が変わった など)

たとえば、10年前に書いた遺言書のまま亡くなると、現在の財産と一致しないことも珍しくありません。

定期的に確認し、必要に応じて書き直すことがトラブル防止につながります。


遺言書は「未来への安心」を形にするもの

遺言書は、財産のためだけではなく、残された人への思いやりを形にするものです。

ただし、その思いが法的に有効でなければ届かないこともあります。

この記事で紹介したように、

日付・署名・押印の形式

財産の特定の仕方

保管・訂正方法

といった細かな点が、有効か無効かを分ける大きなポイントです。

行政書士は、こうした法的要件とあなたの想いの“橋渡し”をする専門家です。

「本当に有効な遺言書を作りたい」「家族に迷惑をかけたくない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。


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