【行政書士が解説】50代から考える“終活の第一歩”─遺言書の正しい始め方
「終活＝まだ早い」と思っていませんか？
「遺言書なんて、もっと年を取ってからでいい」「終活は70代・80代の話でしょ？」
そう感じている50代の方はとても多いです。
しかし、行政書士として多くのご相談を受けていると、「50代こそ、終活を始めるベストタイミング」だと強く感じます。
実際、相続や老後の問題は、まだ元気なうちにしか整理できないもの。
健康に自信があり、判断力が確かな50代だからこそ、「自分らしい最期」を描く準備を冷静に進められます。
この記事では、名古屋市緑区で活動する女性行政書士として、50代から始める“終活の第一歩”──遺言書の正しい始め方を、具体的な手順と注意点を交えて分かりやすく解説します。
よろしければ、過去の記事も併せてご覧ください。
なぜ今、50代で「終活」を考えるべきなのか
終活とは、「死の準備」ではなく、“これからの人生を安心して生きるための活動”です。
50代は、仕事・家庭・健康・親の介護など、さまざまな転換期を迎える世代。
このタイミングで一度立ち止まり、「もしもの時」を考えることは、これからの生き方を見直すきっかけにもなります。
50代が終活を始めるべき3つの理由
- 判断力・行動力があるうちに整理できる
60代以降になると、健康面や家族の事情で思うように動けないことも増えます。
50代なら、時間にも心にも余裕があり、冷静な判断で準備が進められます。 - 親の相続・自分の老後が重なりやすい世代
親の相続を経験して「自分は家族に迷惑をかけたくない」と感じる人が増える時期です。
まさに、“自分ごと”として考え始める年代といえるでしょう。 - 家族への思いやりを形にできる
まだ元気な今だからこそ、家族へのメッセージや財産の分け方を
しっかり伝えることができます。これは“未来へのプレゼント”でもあります。
終活の第一歩は「遺言書」から
終活と聞くと、「お墓」や「保険」「断捨離」を思い浮かべる方も多いですが、実は一番大切なのは「遺言書」です。
なぜ、遺言書が“第一歩”なのか？
遺言書は、あなたの意思を法的に残せる唯一の手段です。
これがあるかないかで、家族の手続きの負担が大きく変わります。
実際の相談例：
「遺言書がなかったために、相続の手続きが1年以上かかった」
「子ども同士で“お母さんはどっちを優先していたか”でもめた」
遺言書があれば、こうしたトラブルを防ぎ、家族が安心して次のステップへ進めるのです。
「遺言書を書く」と聞くと不安になる理由
多くの方が「書いてみたいけど、難しそう」と感じるのは、次の3つの理由からです。
- 法律のことが分からない
- 形式を間違えると無効になると聞いた
- どんな内容を書けばいいのか分からない
確かに、遺言書には一定の形式があります。
しかし、行政書士のサポートを受ければ、初めてでも安心して作成できます。
50代から始める「遺言書づくり」の5ステップ
ここからは、実際にどのように遺言書を作っていくか、行政書士が実務で使っている流れをもとにご紹介します。
STEP① 財産を“見える化”する
まずは、自分の財産を一覧にして整理します。
- 預貯金（銀行名・支店名・口座番号）
- 不動産（所在地・地番・評価額）
- 保険・株式・年金などの金融資産
- 負債（住宅ローン・借入金）
- 貴金属・美術品・ペットなどの個人財産
ポイント
「今の自分がどんな資産を持っているのか」を明確にすることで、“誰に何をどのように残すか”を具体的に考えられるようになります
STEP② 相続人を確認する
次に、「自分が亡くなったとき、誰が相続人になるのか」を整理します。
- 配偶者
- 子ども（実子・養子）
- 父母
- 兄弟姉妹 など
家族関係が複雑な場合（再婚・内縁関係など）は、
行政書士に相続関係図を作ってもらうと分かりやすいです。
STEP③ 誰に、何を、どんな思いで渡すかを決める
遺言書は「モノの分け方」だけでなく、“想いの伝え方”も大切です。
- 「長男に家を継いでほしい」
- 「お世話になった妹に預金を少し渡したい」
- 「ペットの世話をお願いしたい」
こうした“気持ち”を文字にすることで、
相続後の家族のトラブルを防ぐ効果があります。
STEP④ 形式を選ぶ（自筆 or 公正証書）
遺言書には主に2種類あります。
自筆証書遺言
- 自分で全文を書く
- もっとも手軽に始められる
- ただし書き間違いや形式不備で無効になることも
おすすめの保管方法：
「法務局の自筆証書遺言保管制度」を利用すれば、紛失・改ざんの心配がありません。
公正証書遺言
- 公証役場で公証人が作成
- 法的に最も確実で、安心度が高い
- 証人2名が必要
迷ったら、行政書士に相談しながら内容を整え、最終的に公証役場で作成するのがベストです。
STEP⑤ 遺言執行者を決める
遺言書に書かれた内容を、実際に実行する人を「遺言執行者」といいます。
家族の中から選んでもよいですが、公平・中立に進めるために行政書士など専門家を指定する方も多いです。
遺言執行者を行政書士に任せるメリット
- 相続人同士のトラブルを防げる
- 手続きがスムーズに進む
- 専門知識で確実に実行できる
「書いたあと」が大事！保管と見直しのポイント
遺言書は、書いたら終わりではありません。
保管方法と定期的な見直しがとても重要です。
保管の注意点
- 自筆証書遺言は、必ず封をして署名押印する
- 保管場所を家族に伝えるか、法務局保管制度を利用
- 火災・水害対策も忘れずに
見直しのタイミング
- 財産の増減があったとき
- 家族構成に変化があったとき（結婚・離婚・孫の誕生など）
- 法改正があったとき
目安は5年に一度の点検。
人生の節目ごとに見直すことで、“生きている遺言書”になります。
女性行政書士が考える「終活」
行政書士として感じるのは、遺言書づくりは法律の話でありながら、心の整理の時間でもあるということ。
- 「自分の人生をどう締めくくりたいか」
- 「どんな形で家族に感謝を伝えたいか」
それを考えることが、実は“前向きな終活”なのです。
名古屋市緑区には、終活や遺言に寄り添う女性行政書士が増えています。
同じ目線で話を聞き、分かりやすくサポートしてくれる存在が近くにいることで、不安を感じずに一歩を踏み出せます。
行政書士が伝えたい3つのメッセージ
①「まだ早い」ではなく、「今だからこそ」
元気な今だからこそ、冷静に考えられる。
遺言書づくりは、未来の安心をプレゼントする行為です。
②「難しいこと」ではなく、「自分の想いを言葉にすること」
専門家がサポートすれば、手続きは決して難しくありません。
あなたの想いを形にするだけでいいのです。
③「家族のため」ではなく、「自分のため」
終活は、家族のためでもありますが、何より自分が安心して生きていくための準備です。
「これで大丈夫」と思えることが、心の安定につながります。
まとめ：今日が、“終活の第一歩”に最適な日です
遺言書を書くことは、「死の準備」ではなく、“これからをよりよく生きる準備”です。
50代からの終活は、「今」を見つめ、「未来」を描く時間。
名古屋市緑区で活動する女性行政書士として、私はいつもこうお伝えしています。
「遺言書は、家族への“ありがとう”を残すための手紙です。」
想いがしっかりと届くように、今日、この瞬間から始めてみませんか？
名古屋市緑区で遺言書の相談ならけいか行政書士事務所へ
名古屋市緑区・天白区・豊明市エリアを中心に、相続や遺言、エンディングノート作成のサポートを行っています。
「どう書けばいいかわからない」「家族に話しづらいけど準備しておきたい」
そんな方も安心してご相談ください。
けいか行政書士事務所があなたの想いを丁寧にヒアリングし、法的にも安心な形で遺言書を一緒に作り上げます。
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