【行政書士が解説】証人は誰に頼めばいい?注意点は?―公正証書遺言で失敗しない証人選びのすべて

「公正証書遺言を作るとき、証人が2人必要って聞いたけれど…誰に頼めばいいの?」
「家族じゃダメなの?友達でもいいの?」
「証人って、何か責任を負うの?」
公正証書遺言のご相談で、必ずと言っていいほど出てくるのが「証人」の問題です。
実はこの証人選び、間違えると遺言そのものが“無効”になる可能性がある、非常に重要なポイントなのです。
この記事では、行政書士として数多くの遺言作成に立ち会ってきた経験をもとに、
- 証人の役割とは何か
- 誰が証人になれるのか・なれないのか
- 家族や友人は証人になれる?
- よくある失敗例とトラブル
- 安心・確実な証人の頼み方
を、専門用語をできるだけ使わず、分かりやすく解説します。
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そもそも「証人」とは何のためにいるの?
公正証書遺言には、法律上、必ず2名の証人が必要と定められています(民法第969条)。
証人の役割は、とてもシンプルです。
証人の役割
- 本人が本当にその内容で遺言を作ったこと
- 誰かに無理やり作らされたものではないこと
- 判断能力がきちんとある状態だったこと
これらを “第三者の立場”で立ち会って確認するのが証人の役目です。
つまり証人は、「この遺言は、間違いなく本人の本当の意思です」と証明する存在なのです。
誰が証人になれる?なれない?
ここが最も重要なポイントです。
—
【証人になれる人】
次の条件をすべて満たしていれば、原則として証人になれます。
- 18歳以上であること
- 判断能力があること
- 利害関係がない第三者であること
つまり、遺言によって得をする人でなければ、原則OKです。
【法律上、証人になれない人】
次の人は、法律上、絶対に証人になれません。
- 推定相続人(配偶者・子・親・兄弟姉妹など)
- 受遺者(遺言で財産をもらう人)
- それらの配偶者・直系血族(受遺者の子・親なども含む)
- 未成年者
例で整理すると…
| 立場 | 証人になれる? |
|---|---|
| 子ども | ×不可 |
| 配偶者 | ×不可 |
| 兄弟姉妹 | ×不可 |
| 甥・姪 | 基本不可に近い |
| 友人 | ○可能 |
| 近所の知人 | ○可能 |
| 行政書士・司法書士 | ○可能 |
「家族に頼めばいい」は、実は一番危険
「家族が一番安心だから、家族に証人をお願いすればいいですよね?」
これは もっとも多い勘違いであり、もっとも危険な考え方です。
もし、
相続人である子ども、配偶者、兄弟姉妹
などが証人になってしまうと、
その時点で公正証書遺言そのものが「無効」になる可能性があります。
せっかく時間と費用をかけて作った遺言が、最初からなかったことになってしまう可能性があります。
友人や知人に頼んでもいいの?
結論から言うと、
条件を満たしていれば「友人・知人」でも証人になれます。
ただし、現実的には次のような問題が起こりやすいのも事実です。
- 内容を知られてしまう
- 金銭の話を聞かれる
- 後日、相続人と気まずくなる
- トラブルに巻き込まれる不安
証人は遺言の内容をその場で聞くため、「完全な秘密」にはできないという点も、重要な注意点です。
証人に「責任」や「義務」はあるの?
これも非常に多い質問です。
結論から言うと、
- 証人に、相続手続きをする義務はありません
- 財産の管理責任もありません
- 相続トラブルの当事者になることも原則ありません
証人の役割はあくまで、「その場で、本人の意思を確認し、署名・押印すること」それだけです。
そのため、「証人になると、あとが面倒そう…」と過度に心配する必要はありません。
実務であった「証人トラブル」
ここで、実際にあったケースをいくつかご紹介します。
ケース①:受遺者が証人だった
内縁の配偶者に財産を遺贈し、その人が証人に。
→ 遺贈している本人が証人になっていたため
→ 遺言は全体が無効
ケース②:頼んだ友人が当日来られなかった
当日になって、
「ごめん、急に行けなくなった」
→ 代わりの証人が見つからず、公証役場の予約はキャンセル
→ 作成が1か月以上延期
一番安心・確実なのは「専門家に証人を依頼する方法」
現在、もっとも多くの方が選んでいるのが、
- 行政書士
- 司法書士
- 弁護士
など、専門家に証人を依頼する方法です。
この方法のメリット
- 法律上の欠格に絶対に当たらない
- 守秘義務がある
- 当日ドタキャンの心配がない
- 遺言内容を冷静に確認できる
「誰に頼めばいいか分からない」「家族や友人に知られたくない」という方には、もっとも安心な方法です。
証人がどうしても見つからない場合は?
証人がどうしても見つからない場合でも、ほとんどのケースで、
- 行政書士事務所
- 公証役場と提携している専門家
が証人の手配まで含めて対応しています。
「証人がいないから作れない」ということは、実務上、ほとんどありません。
証人選びで守るべき5つのポイント
最後に、これだけは覚えておいてほしいポイントをまとめます。
- 相続人・受遺者は絶対NG
- 家族は原則NG
- 利害関係のない第三者に依頼する
- 当日確実に来られる人を選ぶ
- 迷ったら専門家に頼る
まとめ:証人選びは「遺言の命運を左右する」超重要ポイント
公正証書遺言は、内容が完璧でも、証人の選び方を間違えた瞬間に無効になる可能性があります。
逆に言えば、
- 正しい証人を選び
- 確実な手続きを踏めば
公正証書遺言は、最も安全で、最も争いにくい遺言になります。
遺言は、「亡くなったあとのトラブル防止」だけでなく、今を安心して生きるための備えでもあります。
だからこそ、「証人なんて誰でもいい」と軽く考えず、最初から確実な方法で進めることが、何よりの安心につながります。
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