【行政書士が解説】遺言書はどこに保管される?紛失の心配は?―安心して老後を迎えるための「遺言保管」の基礎知識―

「遺言書を書いたのはいいけれど、保管はどうすればいいの?」「もし家族が見つけられなかったらどうなるの?」
そんな不安を抱えている方は、とても多いです。
遺言書は「書けば終わり」ではありません。
“確実に家族の手に届くかどうか”
ここまで考えてこそ、はじめて意味を持つものです。
今回は、
✔ 遺言書はどこに保管されるのか
✔ 紛失や改ざんの心配はあるのか
✔ 公正証書遺言・自筆証書遺言それぞれの保管方法
✔ いま注目されている「法務局の遺言書保管制度」
について、できるだけわかりやすく解説していきます。
遺言書の保管は「方式」によって大きく違います
遺言書というと、
「自分で書いてタンスに入れておくもの」というイメージを持っている方も少なくありません。
しかし、実際には
どの方式で遺言書を作成したかによって、保管の仕組みは大きく変わります。
◆ 自筆証書遺言の場合
最も身近で、費用もかからず、思い立ったときに書けるのが自筆証書遺言です。
しかし保管については、基本的に自分で保管するしかありません。
タンス・金庫・机の引き出し・銀行の貸金庫など、どこに保管しても自由です。
ただしここに大きな問題が生じます。
・見つからない
・勝手に開封されてしまう
・破棄されてしまう
・内容を書き換えられるリスク
実際、相続の現場では
「遺言書を見つけたのは相続から数か月後」「存在は知っていたが、家族が見つけられなかった」
というケースは珍しくありません。
◆ 公正証書遺言の場合
一方、公正証書遺言の場合は事情がまったく違います。
作成された公正証書遺言は、原本が公証役場で長期間保管されます。
遺言者やご家族が紛失してしまっても、公証役場がしっかり保存しているため安心です。
さらに、全国の公証役場で検索できる「遺言検索制度」により、相続が発生した後でも確認が可能です。
つまり公正証書遺言は、
“紛失しない・改ざんされない・見つからない心配がほぼ無い”
保管面では非常に優秀な遺言方式なのです。
2020年から始まった「法務局の遺言書保管制度」
「自筆証書遺言だと不安。でも公正証書遺言までは…」
そんな方のために導入されたのが
法務局の自筆証書遺言書保管制度です。
この制度を利用すると、
✔ 自筆証書遺言でも法務局で安全に保管
✔ 原本は法務局が保管、画像データも保存
✔ 改ざん防止
✔ 紛失の心配なし
✔ 家族が正式な手続で閲覧・証明書取得が可能
という、大きな安心が得られます。
さらに、この制度を利用した遺言は、
家庭裁判所の検認手続きが不要
というメリットもあります。
紛失するとどうなる? ― “遺言書がなかったこと”になる場合も
「たぶん家族が見つけてくれるはず」
そう思っていても、現実はそう甘くありません。
遺言書が見つからなければ、相続は “遺言が無いもの” として扱われます。
するとどうなるか。
・法定相続分で分けるしかない
・想いを反映できない
・トラブルが起こる
・時間も手間も費用も増える
本来、「家族の負担を減らし、争いを防ぐため」に書いた遺言書が、
“存在しなかったこと”になってしまう。
これはとてももったいないことです。
「家族に知らせる」は保管以上に大事なポイント
実務をしていると、
「遺言書はあったけれど、家族が存在自体を知らなかった」というケースもよくあります。
保管と同時に大事なのは、
✔ 遺言書の存在を誰に知らせるか
✔ どこに保管しているか
✔ どこで確認できるか
これを、信頼できる人に伝えておくことです。
公正証書遺言や法務局保管制度を利用していれば、遺言そのものが消える心配はほとんどありません。
しかし「知られていない遺言」は、やはり意味を持ちません。
結論:作るだけではなく、届ける準備までが遺言
遺言書は、ただ書くだけなら誰でもできます。
けれど本当に大切なのは、
「その遺言が、相続の場面で確実に使われるかどうか」。
そのためには、
・公正証書遺言を検討する
・法務局の遺言書保管制度を利用する
・信頼できる専門家に相談する
これらをセットで考えることが大切です。
「不安なまま保管しない」ために、専門家を頼ってください
遺言や相続の問題は、
ご家族の事情・年齢・財産状況・家族関係によってベストな選択が大きく変わります。
✔ 自分に合う遺言方式はどれか
✔ 保管はどうするのが安全か
✔ 家族にどう伝えるのが良いか
迷われている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
「いざという時に、家族を迷わせないために。」
安心して老後を迎えるためのお手伝いができれば嬉しいです。
名古屋市緑区で遺言書の相談ならけいか行政書士事務所へ
名古屋市緑区で相続・遺言のご相談なら、女性行政書士のけいか行政書士事務所へ。
緑区(黒石・桃山・徳重・神の倉・有松・鳴海)中心に、相続手続き・遺言書作成・戸籍収集などサポートしています。
「どう書けばいいかわからない」「家族に話しづらいけど準備しておきたい」
そんな方も安心してご相談ください。
けいか行政書士事務所があなたの想いを丁寧にヒアリングし、法的にも安心な形で遺言書を一緒に作り上げます。