【行政書士が解説】公正証書遺言の作成にかかる期間はどれくらい?“思ったより長い・でも早く作れる”現実をお伝えします

「公正証書遺言って、実際どれくらいの期間で作れるんですか?」
ご相談の中で、とてもよくいただく質問です。
“遺言書”という言葉にはどうしても、「大掛かり」「とても時間がかかるもの」というイメージがつきものです。
しかし、実務の感覚でいうと
公正証書遺言は、早ければ1か月程度で完成します。
もちろん、内容の難易度・家族関係・財産の種類・公証役場の予約状況によってかかる期間は変わります。
今回は、
✔ 平均的な作成期間
✔ 早いケース/時間がかかるケース
✔ 具体的なスケジュールイメージ
✔ 急がなければいけないときの対応
まで、実務目線で分かりやすく解説していきます。
平均的な目安は【1か月~2か月前後】が現実的
まず結論からお伝えすると、
公正証書遺言の作成期間の目安は「約1か月〜2か月」程度。
これは、
・相談
・内容整理
・資料準備
・文案作成
・公証人との調整
・署名押印の日程調整
これらの流れをすべて踏まえたうえでの平均像です。
特に最近は、高齢化・相続トラブル増加・遺言意識の高まりにより、公証役場の予約が取りにくい傾向があります。
この点も「1か月~2か月前後が現実的」といわれる理由です。
2.“最短”ならどれくらいで作れる?
「事情があって早く作りたい」「体調が心配なので、できるだけ早く形にしたい」
というご相談も少なくありません。
結論として、
最短で数週間程度で作成できる場合もあります。
ただし条件があります。
✔ 財産内容がシンプル
✔ 相続関係が複雑でない
✔ 具体的に「誰に何を渡すか」が決まっている
✔ 必要書類がすぐ準備できる
✔ 公証役場に空きがある
✔ 証人が確保できる
これらが整えば、実務でも「驚くほどスムーズに」完成することがあります。
逆に“時間がかかるケース”は?
一方で、2か月以上かかるケースもあります。
その主な理由は次のようなものです。
財産内容が複雑
・不動産が複数
・預貯金が多数
・株式・投資信託・会社持分
・海外財産
こうしたケースでは、「財産内容を正確に把握する作業」に意外と時間がかかります。
ご家族関係が複雑
・再婚
・前妻の子/認知した子
・内縁関係
・疎遠な相続人
・相続争いの懸念が強い
この場合は“言葉の選び方”が非常に重要になります。
公証人とのやりとりにも慎重さが必要となり、結果として期間が伸びることがあります。
本人の意思確認に慎重を要する場合
遺言は「本人の意思」が何より重要です。
・高齢で体力が弱っている
・入院中
・体調に波がある
こうした場合は、
「確実に意思が確認できる状態で作る」ことが最優先となるため、慎重に進めます。
公証役場が混み合っている場合
地域や時期によりますが、
1か月先まで予約が埋まっていることも珍しくありません。
特に年度末・年始・長期休暇前後は混みますので、「早めの相談」が安心です。
実際のスケジュールを“現実的”にイメージすると…
ここからは、実務でよくある流れをわかりやすくスケジュール化してみます。
約1か月モデル
- 1週目
- ・相談
・方向性の決定
・財産調査のスタート
- 2週目
- ・必要書類の収集
・遺言内容の確定
・公証人へ原案相談
- 3週目
- ・文案確定
・公証役場で日程決定
・証人手配
- 4週目
- ・公証役場にて作成・署名押印
・完了
無理なく落ち着いて進める場合、このくらいのペースが一番多い印象です。
「急がないといけない状況」の場合
次のような場面では、スピード感が求められるケースがあります。
✔ 体調が急に悪化
✔ 退院後の生活が不透明
✔ 家族内トラブルの気配
✔ 不動産売却や事業承継が迫っている
こうした場合でも、「間に合わせる努力」は十分に可能です。
ただしここで大切なのは、「とにかく早く作ればいい」というものではないということ。
“間に合ったけれど不十分な遺言”
よりも
“多少時間をかけても確実に使える遺言”
の方が、結果としてご家族の負担を減らします。
早く作れる人と、時間がかかる人の違い
公正証書遺言の作成期間は、実は準備の段階で大きく変わります。
早く進む方の特徴
・財産をある程度把握している
・希望が明確
・迷いが少ない
・専門家に早めに相談している
時間がかかる方の特徴
・「何となく不安」で相談が後回し
・財産整理ができていない
・家族関係に悩みが多い
・一人で抱え込みすぎる
遺言作成は「考え始めてから相談に行く」より、「相談しながら一緒に考える」方が、実は早く完成します。
まとめ :期間よりも大切なのは、一歩を踏み出す時期
公正証書遺言の作成期間は、
✔ 早ければ数週間
✔ 標準は1か月~2か月前後
✔ 内容次第では2か月以上
というのが現実です。
しかし、もっと大切なのは「思い立ったときに動き出すこと」。
遺言は、「困った時に作るもの」ではなく、まだ元気な今だからこそ作り始めるのが安心です。
女性行政書士として、お伝えしたいこと
遺言作成の場面では、
「法律」だけでは解決できないご家族の気持ちや過去の出来事
が、必ず出てきます。
✔ どのタイミングで作ればいい?
✔ どのくらい時間がかかりそう?
✔ 今の状況で作れる?
そんな不安を抱えていらっしゃる方は、どうぞ一人で悩まないでください。
「作りたい」と思った今が、いちばん準備に適したタイミングです。
安心してご相談いただければ、あなたのペースに合わせて、無理のない形で進めていきます。
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