【行政書士が解説】公証役場では何をする?当日の流れと持ち物を完全解説

遺言書作成

「公正証書遺言が安心なのは分かったけれど、いざ公証役場に行く日、そこで“何をするのか”がイメージできなくて不安です。」

これは、遺言作成のご相談で本当に多い声です。

どんな人がいるの?何を言えばいいの?失敗したら無効になるの?

緊張してうまく話せなかったらどうしよう…

初めての場所、初めての手続き。

不安になるのは、当然のことです。

そこで今回は、行政書士として実務で何度も立ち会ってきた経験をもとに、

  • 公証役場で実際に何をするのか
  • 当日の流れを「最初から最後まで」
  • 絶対に忘れてはいけない持ち物
  • 当日に多い質問・失敗例

までを、初めての方にも分かるように丁寧に解説します。

よろしければ、過去の記事も併せてご覧ください。


目次

そもそも「公証役場」とは何をするところ?

公証役場とは、国から任命された「公証人」が、

公正証書遺言

金銭消費貸借契約

任意後見契約

尊厳死宣言公正証書 など

法律上とても重要な文書を、安全・確実に作成する場所です。

公正証書遺言の場合、公証人は次の役割を担います。

  • 本人の意思確認
  • 判断能力の確認
  • 内容が法律に合っているかのチェック
  • 無効にならない形式での作成

つまり、最後の「法律の守り」をしてくれる存在が公証人なのです。


公証役場での「当日の流れ」完全ガイド

ここから、実際の当日の流れを、時間の経過に沿ってご紹介します。


【当日①】公証役場に到着(予約時間の10分前が理想)
公証役場は、原則として完全予約制です。予約時間の5〜10分前には到着しておくと安心です。
受付で、「〇時に、公正証書遺言の作成で予約しています」と伝えるだけで大丈夫です。
その後、待合スペースで呼ばれるのを待ちます。
【当日②】本人・証人2名が揃って入室
公正証書遺言の作成には、必ず、本人(遺言を作る方)と証人2名が揃って入室します。
証人は、
・18歳以上
・推定相続人でない
・受遺者でない
・配偶者・直系血族でない
などの条件があり、通常は行政書士などの専門家が手配します。ご家族は原則として証人になれません。
【当日③】公証人による「本人確認・意思確認」
最初に公証人が行うのが、本人確認と意思確認です。ここで確認されるのは、主に次の点です。
・本人が本当に遺言者本人か
・誰かに無理やり作らされていないか
・内容をきちんと理解しているか
たとえば、「今日はご自身の意思で来られましたか?」「この遺言書の内容は、ご自分で決められたものですか?」といった質問が、やさしく、落ち着いた口調でされます。
ここは「試験」ではありません。リラックスして、正直に答えれば問題ありません。
【当日④】遺言内容の「読み上げ」
次に、公証人が 遺言書の内容をすべて読み上げます。

・誰に何を相続させるか
・不動産の表示
・預貯金の取り扱い
・遺言執行者の指定
など、一字一句、丁寧に読み上げられます。

ここで本人は、
・内容に間違いがないか
・ 聞いていて違和感がないか
をしっかり確認します。
もし、「金額が違う気がする」「不動産の住所が少し変」など、気になることがあれば、この場で必ず修正できます。
【当日⑤】本人が「間違いありません」と意思表示
読み上げが終わったあと、「この内容でよろしいですか?」と確認されます。
ここで本人が、「はい、間違いありません」と答えることで、最終確定となります。
この瞬間が、実質的な「完成直前」です。
【当日⑥】署名・押印
内容が確定すると、本人→証人2名→公証人の順で、署名・押印を行います。
ここで正式に、公正証書遺言が成立します。
【当日⑦】費用の支払い → 正本・謄本の受け取り
作成が終わると、公証役場で費用の支払いを行います。
費用は、財産額に応じて法律で定められた手数料で、一般的には数万円〜十数万円程度です。
支払い後、正本と謄本が交付され、原本は公証役場で厳重に保管されます。
ここまでで、すべての手続きが完了です。

公証役場に「必ず持参するもの」一覧

当日に忘れ物をすると、作成できずに延期になることもあります。

以下は ほぼ必須の持ち物です。


本人が必ず持つもの

  • 印鑑登録証明書
  • 実印
  • 本人確認書類(免許証・マイナンバーカードなど)
  • 正本・謄本の受け取り予定費用(現金の場合)

証人が持つもの

  • 身分証明書
  • 認印(念のため)

あれば安心なもの

  • 遺言の原案コピー
  • 不動産資料・通帳コピー(最終確認用)

当日によくある「不安・失敗例」

ここで、実際に多いケースをご紹介します。


緊張して、何を聞かれているか分からなくなった

→ 公証人はとてもゆっくり、分かりやすく説明してくれます。

→ 分からなければ、「もう一度お願いします」で問題ありません。


印鑑を忘れてしまい、当日作成できなかった

→ これは本当によくあります。

→ 必ず「前日に持ち物チェック」をしましょう。


内容がその場で気になったが、言い出せなかった

→ 遠慮は一切不要です。

→ その場で修正できるのが、公正証書遺言の強みです。


公証役場は「怖いところ」ではありません

「公証役場」と聞くと、

堅苦しい

厳しい

冷たい

そんなイメージを持つ方もいらっしゃいますが、実際はとても穏やかで、丁寧な対応をしてくれます。

特に遺言作成の場では、

  • 高齢の方
  • 体調が不安な方
  • 緊張している方

への配慮も徹底されています。


まとめ:当日の流れを知っておけば、公正証書遺言は「怖くない」

【公証役場での当日の流れ】

  1. 受付
  1. 本人・証人の入室
  1. 本人確認・意思確認
  1. 遺言内容の読み上げ
  1. 最終確認
  1. 署名・押印
  1. 費用支払い・書類受け取り

という、とてもシンプルで明確な流れです。

事前準備さえしっかりできていれば、当日の所要時間は 30分〜1時間ほどで終わります。

公正証書遺言は、「人生最後の手続き」ではなく、「大切な人を守るための、前向きな準備」です。

正しい知識を持って、安心して一歩を踏み出していただけたらと思います。


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