生前贈与と相続は関係ない?

こんにちは。
もう何年も前ですが、以前こんな話を聞きました。


「私は兄弟の中で一人だけ父と仲が良くて、新居を購入する際に頭金を援助してもらったりしてるんです。何だか得した気分だなぁ♪」

果たして、得をしているのか・・・当時私はずっと疑問でした。

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特別受益??


相続、の話で言いますと
法律上、生前贈与で渡した財産は、相続の前渡しと評価されます。
この前渡しのことを、特別受益と言います。
遺産分割協議の際は、その前渡し分を考慮して分け方を考えなければいけません。
前渡し分を考慮しないで相続を認めると、二重取りになって不平等ですよね?!

特別受益を、亡くなったときの遺産に持ち戻して相続分を計算することを、特別受益の持ち戻しと言います。


この特別受益の持ち戻しですが、何でもかんでも持ち戻されるわけではありません

特別受益の対象になる贈与は、民法で「婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として」されたものに限られています。
ですので、小遣いや慣行上の付き合い程度の贈与は含まれないのです。
簡単に言えば、家族として当たり前にしたことはノーカウントです♪
逆に言えば、当たり前の程度を超える大きな贈与は特別受益にあたります!!



そしてもう一点大切なのが、特別受益には時効がありません。
何十年前の贈与でも、持ち戻しの対象になります。
「そんな前の贈与、もう時効でしょ?」は通りません。
ただ、何十年も前の贈与があったことを立証するのは大変難しいことですが・・・。

特別受益の持ち戻しの免除?

被相続人が特別受益の範囲からの除くように指示した場合には、被相続人の指示が優先されます。

また、婚姻期間が20年以上の仲良し夫婦の一方である被相続人が、遺された配偶者に対し、その居住の用に供する建物またはその敷地について贈与したときは、持ち戻しの免除の意思表示があったものと推定します。
推定、ですので、実際意思表示があったかどうかをは立証する必要ありません。
その結果、遺産分割において、特別受益と扱われずに計算することができます。
遺された配偶者は取得額がその分増えることになりますし、居住権も保護されます。

終わりに・・・

冒頭の話題に戻りますが、何をもって「得」と言ったかは定かではありませんが・・・。
相続の話、で言いますと、新居を購入する際の頭金は特別受益ですね。
それは相続の前渡しですから、手放しに得とは言い切れませんね。

本日も、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

相続、遺言のご相談は、けいか行政書士事務所にお気軽にご相談ください。

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